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国宝・迎賓館赤坂離宮で巡る藤田嗣治。「国宝迎賓館で出会う、フランスのやわらかな風景」(迎賓館赤坂離宮)レポート【2/3ページ】

迎賓館でめぐる、フランス風俗を描いた艶やかな世界

 参観ルートは西玄関から始まり、「花鳥の間」を経て東玄関へと至る。まず西玄関で出迎えてくれるのは、《犬を抱く女性と楽士》と《葡萄畑の女性》(ともに1935)の2点だ。藤田嗣治といえば「乳白色の下地」を生かした独自の人肌表現が特徴であり、その艶やかな透明感と質感がフランス・パリを中心に高い評価を得た。この天井画シリーズでは、フランス菓子店にふさわしい空間づくりを目指し、18世紀ルイ王朝時代の華やかで優雅なフランス風俗を描き出している。

《犬を抱く女性と楽士》(1935)キャンバスに油彩 131×188cm この天井画シリーズは、ロココ美術を代表する画家アントワーヌ・ヴァトーを参考に描かれている
《葡萄畑の女性》(1935)キャンバスに油彩 131×188cm 各作品にはフランスの様々な地方とその土地に由来する植物も描かれる

 西玄関から羽衣の間、朝日の間、彩鸞の間といった絢爛な部屋を通り抜けた先にあるのが「花鳥の間」だ。ここでは、普段公開されていない《貴婦人と召使い》と《ポプラ並木の女性と楽士》(ともに1935)の2点が特別公開されており、本展のハイライトとなっている。

晩餐会が催される「花鳥の間」では、《ポプラ並木の女性と楽士》と《貴婦人と召使い》(ともに1935)が特別公開されている

 また、木曽産のシオジ材による板張りの壁面には、四季の草花と鳥が表現された30点の七宝焼が飾られている(展示期間中、一部の作品が鑑賞できません)。ほかにも、空間のコンセプトを反映した豪華なシャンデリアや天井画も見逃せない。

「花鳥の間」に飾られた30点の七宝焼は、日本画家の渡辺省亭(わたなべ・せいてい)が下絵を描き、七宝作家の濤川惣助(なみかわ・そうすけ)が焼成している
「花鳥の間」のシャンデリアと天井画

編集部