温泉郷としても知られる千葉・養老渓谷で、チームラボによる夜の野外展覧会「チームラボ 養老渓谷」が開幕した。会期は5月24日まで。
本展は、養老渓谷温泉郷の豊かな自然を活用した観光地づくりの一環として、千葉県が推進する地域ブランディングや観光コンテンツ開発、利便性向上施策のひとつとして実施されたものだ。
養老渓谷は、長い年月をかけて養老川が大地を削り続け形成された地形である。地磁気逆転の痕跡を鮮明に残す地層「チバニアン」で知られるほか、その上流に広がる「黒滝不整合」は、日本の地質百選にも選ばれている。
長い生命の連続性の上に存在する自身
本展は、チームラボが展開する「Digitized Nature(自然が自然のままアートになる)」プロジェクトの一環として実現した。川や渓谷といった悠久の時間を持つ存在に、デジタルテクノロジーを介在させ、いまを生きる人々の存在によって作品を変化させる。それにより、長い生命の連続性の上に自身の存在があることを示唆している。

まず通路を進むと、《悠久の今の中で連続する生と死》(2026)が現れる。巨大な地層に四季折々の花々を投影した作品だ。川岸まで降りることができ、至近距離から見上げると、広大な地層が視界を覆い尽くすように立ちはだかる。数百万年という歳月をかけて川が削り出した地層の表面で、花々が誕生と死滅を繰り返す様子は、時間の永続的な循環を感じさせる。

《呼応する養老渓谷と森》(2026)は、夜の森を光と音で構成した作品だ。人や生物が通るたびに、その色や音が変化する仕組みになっている。チームラボは自然の造形をそのまま作品として扱うため、自然物に直接手を加えることはせず、光と音を用いてその知覚を変化させていく。他者の動きに反応して空間が変化する本作では、他者とその場を共有しながらともに作品をつくり上げる感覚をもたらす。

読経のような音が響く方へ進むと、天然の巌窟(がんくつ)が見えてくる。この空間を用いた作品が《巌窟の永遠の祈り》(2026)だ。洞窟内部にデジタルな「書」が綴られ続け、一文字書き上げられるたびに僧がそれを読み上げる。現地視察の際に発見されたというこの巌窟の形状や背景を活かして制作された本作は、この土地の特異性に根ざしたサイトスペシフィックな表現といえる。
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