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「知覚の大霊廟をめざして──三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション」開幕レポート。インタラクティヴ作品を通じて、自らの知覚とインタラクションのメカニズムに向き合う【4/5ページ】

 本展では、「メディア・アートの修復──《存在、皮膜、分断された身体》の場合」や「視ることそのものを視る──《モレキュラー インフォマティクス》から《Eye-Tracking Informatics》へ」をはじめとした複数の資料展示があり、発表時の展示方法や作品のアップデートについての履歴が、映像やパネル、書籍などを通じて紹介されている。

 さらに、現役のアーティストである久保田晃弘、平川紀道、堂園翔矢による「インタラクションのアーカイヴとその計算論的分析」も展示されている。その理論的基盤として書かれたテキストの一部が、次のように引用されている。

インタラクティヴ・メディア・アートにおける「インタラクション」は、技術的なフィードバックだけではなく、感覚・知覚・時間経験を通じて主体と客体の境界を撹乱し、再編成する美的体験である。(中略)インタラクションは鑑賞者の行為によって実際に立ち上がる動的なプロセスで、作品の形態(ゲシュタルト)は鑑賞者の参与によって初めて具現化する。この生成過程こそがインタラクティヴ・アートの美学の核心である。

 三上の《Eye-Tracking Informatics》を対象に、展示で記録された鑑賞体験データを分析することで、インタラクションの分析と保存に向けた方法論の提案が行われているのだが、テクノロジーの進化によって表現のアップデートが繰り返されるメディア・アート特有の課題について、深く考えさせられる内容であると感じた。

展示風景より、「インタラクションのアーカイヴとその計算論的分析」

編集部