三上晴子の「スーツケース」作品を公開。CAPSULEで3日間の展覧会が開催

情報社会と身体をテーマとした作品で知られ、2015年に逝去したアーティスト・三上晴子。その個展「Suitcases 1993 | 2020」が、東京・池尻のCAPSULEで開催される。会期は7月17日〜19日。

写真=山本糾 (C) gallery NW house

 日本におけるメディア・アートの先駆者として活動してきた三上晴子(1961~2015)。その作品を公開する展覧会が、東京・池尻のCAPSULEで開催される。会期は7月17日~19日。

 三上は1984年から情報社会と身体をテーマとしたインスタレーション制作を手がけ、95年からは知覚によるインターフェイスを中心に、視線入力や、聴覚と身体内音などを用いたインタラクティブ作品を発表。2000年からは多摩美術大学情報デザイン学科で教鞭を執った。

 本展では《スーツケース(World Membrane: Disposal Containers - Suitcase)》(1993)を公開。同作は、92年に行われたふたつの個展「地球の皮膜/処理容器」(P3 art and environment、東京)、「被膜世界:廃棄物処理容器」(ARTSPACE、シドニー)を発展的に受け継いだものだ。

 作品を構成するスーツケースに詰め込まれているのは、「事故空気/有害粒子処理缶」「使用済み注射針廃棄コンテナ」「放射線防護服」「放射性廃棄物コンテナ」「実験動物用廃棄コンテナ」など。三上はこれらの容器を「皮膜=被膜」としてとらえたうえで、空港の手荷物検査場を想起させる空間の演出によって「移動」を暗示した。

 いまなお現代の新たなリアリティと共鳴し続ける三上の作品群。本展は、生命と世界に対する三上の洞察を垣間見る機会となるだろう。

編集部

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