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「東京ビエンナーレ2025」開幕レポート。歩いて見つける、街とアートの新しい関係性【3/5ページ】

八重洲・京橋エリア

 東京駅八重洲北口の大丸東京店前では、与那覇俊による《太太太郎》(2023)が大判出力で展示されている。大学在学中に音楽遊学を経験し、帰国後は精神的な困難を抱えながら、約10年にわたり自身の思考をまとめた「脳ノート」を書き綴ったという与那覇。その記録をもとに生まれた、カラフルで緻密な作風は国内外で高く評価され、2021年にはパリのポンピドゥー・センターにも収蔵された。まるでひとつの都市が描かれているかのような本作を、足を止めてじっくりと鑑賞してみてほしい。

展示風景より、与那覇俊《太太太郎 2023》
展示風景より、与那覇俊《太太太郎 2023》

 アーティゾン美術館周辺には、寛永寺でも作品を展開する鈴木昭男による「点 音(おとだて)」が点在している。また、取材時には鈴木と宮北裕美による自然と都市の雑踏を体感するようなパフォーマンスも実施された。「(音に耳を澄まし)感覚を開いてみてほしい」という鈴木のメッセージは、忙しないオフィス街において非常に意義深いものとなっている。

展示風景より、鈴木昭男《「点 音(おとだて)」in 東京ビエンナーレ 2025》
鈴木昭男・宮北裕美によるパフォーマンス

編集部