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「草間彌生 闘う女/絵を描く少女」(草間彌生美術館)開幕レポート。闘う女と描く少女のはざまで生まれた表現世界

草間彌生美術館で、草間作品にアイデンティティとして表れる「闘う女性」「無邪気な少女」というふたつの顔にフォーカスする展覧会「草間彌生 闘う女/絵を描く少女」がスタートした。会期は2026年3月8日まで。

文・撮影=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より、3階ギャラリー (C) YAYOI KUSAMA

 東京・弁天町の草間彌生美術館で「草間彌生 闘う女/絵を描く少女」がスタートした。会期は2026年3月8日まで。

 本展では、草間彌生(1929〜)の作品に表れるアイデンティティに「闘う女性」「無邪気な少女」というふたつの顔を見出し、その表出と変容を紹介することを試みる。活動初期のドローイングやトラウマ克服を目指した集合彫刻、社会規範に挑発的に応じるヌード・パフォーマンスやファッションの記録資料など、渡米期に生まれた挑戦的な表現を紹介。加えて、近作からは内面を映し出す絵画シリーズや少女・花をモチーフにした立体作品、世界初公開の小型ミラールームを展示し、闘う強さとあどけなさが共存する草間の多面的な創作世界を体感できる構成となっている。

展示風景より、2階ギャラリー。手前の《心》(2003)は世界初公開となる作品だ

 1階のエントランスには、ふたつの記録映像《14丁目のハプニング》(1966)と《ウォーキング・ピース》(1966頃)が展示されている。1957年に渡米した草間は、当時白人男性が優位であった美術界に果敢に挑戦し、1960年代後半には「ハプニング」と呼ばれる手法で次々とパフォーマンスを行った。これらのスライドは、その初期の活動を記録したものだ。

展示風景より、手前から《14丁目のハプニング》(1966)、《ウォーキング・ピース》(1966頃) (C) YAYOI KUSAMA
作品クレジット 写真:細江英公

編集部