2階ギャラリーには、初期のドローイングやソフト・スカルプチュア、さらに1960年代後半のヌード・パフォーマンスやファッションを紹介する資料が展示されており、渡米後の草間による挑戦の軌跡を俯瞰できる構成となっている。

女性器を花に見立てたドローイングは、その色彩やタッチから、性的なものに対する嫌悪感や恐怖心が表れているかのように感じられる。いっぽうで、その後制作された男性器を模したソフト・スカルプチュアは、数を増殖させ、おもしろおかしく展開することで、その恐怖を克服しようとする姿勢もうかがえる。
とくに1970〜90年代に制作された《幻影の彼方(パーティー)》(1997)や《希死》(1975-76)には、増殖した男性器に従来の女性像を思わせる衣類や家具、調理器具などのモチーフが組み合わされており、男性から女性に対する支配的構造に一石を投じるフェミニズムアートの側面も持ち合わせていると言えるだろう。





















