草間彌生「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)開幕レポート

草間彌生の初期の作品から近年に至るまでのインスタレーションや絵画を紹介する展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」が、エスパス ルイ・ヴィトン大阪で始まった。会期は2026年1月12日まで。

文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景より、草間彌生《無限の鏡の間― ファルスの原野(またはフロアーショー)》(1965/2013) Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

 大阪・関西万博が開催されているいま、エスパス ルイ・ヴィトン大阪が開催する展覧会で草間彌生ほどふさわしいアーティストはいないだろう。

 本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネチア、北京、ソウル、大阪の6都市に設けられた「エスパス ルイ・ヴィトン」で展開される国際的なプロジェクト「Hors-les-murs(壁を越えて)」の一環として開催されるもので、同プロジェクトで日本人が紹介されるのはこれが初めて。ルイ・ヴィトンと日本との強い繋がりを示すものだ。

 展示はパリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションから選ばれた作品で構成され、草間が国際的なアートシーンに登場した初期の作品から近年に至るまでのインスタレーションや絵画が紹介されている。

 店内に入ると、まずは草間のアイコンである水玉をほどこしたカボチャ《大いなる巨大な南瓜》(2023)が展示されている。草間は40年代後半からカボチャを主要なモチーフのひとつとして作品をつくり続けてきた。また94年に直島に野外彫刻として《南瓜》を発表した草間は、以降数多くのカボチャをモチーフにした立体作品を手がけている。一気に草間彌生の世界へと引き込まれる。

展示風景より、草間彌生《大いなる巨大な南瓜》(2023)

編集部