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「草間彌生 闘う女/絵を描く少女」(草間彌生美術館)開幕レポート。闘う女と描く少女のはざまで生まれた表現世界【4/5ページ】

 4階では、ミラールームを用いた体験型インスタレーション作品《決められた幻の水玉は 天国へ与えられた 私への最大の贈り物でした》(2021)が世界初公開されている。草間作品の特徴的な水玉模様が施された触手は、ミラールームのなかでどこまでも広がり続けるかのように見える。トラウマの克服として制作され続けた男性器のソフト・スカルプチュアは、草間作品の代表的なモチーフであり、近作においてもさらなる展開を遂げていることがうかがえる。

展示風景より、《決められた幻の水玉は 天国へ与えられた 私への最大の贈り物でした》(2021) (C) YAYOI KUSAMA
展示風景より、《決められた幻の水玉は 天国へ与えられた 私への最大の贈り物でした》(2021、部分) (C) YAYOI KUSAMA

 加えて、同フロアの壁面には草間による詩作「戦いのあとで宇宙の果てで死にたい」(2007)も紹介されている。1929年に生まれた草間は、幼い頃に絵を描き始めて以来、80年以上にわたり表現活動を続けてきた。そうした長い創作の歩みのなかで、彼女が芸術とどのように向き合ってきたのか、その態度が端的に表れている作品と言えるだろう。

編集部