⻑命寺エリア
⻑命寺
長命寺は近江八幡市の北西端、長命寺山の山腹にある寺院で、琵琶湖を広く望める景観でも知られる。今年初めて会場となった。開基は聖徳太子と伝えられており、平安時代前期に寺院の基盤ができたとされる古刹だ。現在の社殿は戦国時代に兵火で焼失したのち、再建されたものとされる。ここでは、石川雷太、陳見非、宇野裕美が展示を行っている。

写真、書道、篆刻、手製本などを主な表現媒体とする陳見非は、杭州を拠点に活動している。本展では、杭州の至福を表す4つの仏塔を本堂に持ち込み、文字や印を敷き詰めることでの仏教的なつながりと祈りを表現した。

「言葉の限界を言葉で表現するために、作品を制作している」と語る石川雷太。琵琶湖の眺望が美しい太郎坊権現社の隣で、空中に言葉が浮かぶような作品を設置した。石川は、作品が置かれることで、その背後にある環境や歴史に想いが前景化することが作品の根幹だと語る。

宇野裕美は鐘楼のなかで血の海から上部の鐘に向かって生命が流転し昇っていくように、ストレッチ布を組み合わせた作品を展開。ヘソの緒を思わせるひもも、生命のつながりを表現した。





















