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「千葉国際芸術祭2025」(千葉市内)開幕レポート。日常のなかでアートに出会い、こころをひらく【2/5ページ】

千葉駅周辺エリア

 色彩の美しい陶板レリーフとストリートピアノが設置された千葉都市モノレール千葉駅改札外では、オーストラリア・メルボルンを拠点とするスロー・アート・コレクティブによる参加型作品《STATION to STATION》が設置されている。竹の構造体にめぐる紐は、鑑賞者が自由に編んだり結んだりすることが可能だ。日常空間のなかに現れたちょっとした非日常を楽しむことができるだろう。

展示風景より、スロー・アート・コレクティブ《STATION to STATION》
展示風景より、スロー・アート・コレクティブ《STATION to STATION》

 駅前から少し歩いたそごう千葉店の正面入り口前には、アレクセイ・クルプニクによるストリート・ドキュメンタリーシリーズ「Secret people(秘密の人々)」が展示されている。千葉市内で働く、普段は人目につくことのない労働者たち。街を生態系としてとらえ、彼ら/彼女らによる仕事のおかげで循環が生まれているとし、その姿や仕事の様子を追い、撮影したものだという。被写体にはインタビューも実施しており、会期中にはその内容がキャプションとしても追加展示されていく予定だ。

展示風景より、アレクセイ・クルプニク《Secret people(秘密の人々)》
展示風景より、アレクセイ・クルプニク《Secret people(秘密の人々)》

 柔らかな自然光の差し込むセンシティタワー南アトリウムでは、藤浩志によるプロジェクト《33年後のかえる》が展開されている。本作は、33年を世代が入れ替わるひとつのタームとしてとらえ、3万個もの不要となったおもちゃ(廃棄物)を通じて、未来やその可能性について考えることを促すものとなっている。

展示風景より、藤浩志《33年後のかえる》。これらのおもちゃは、昨年千葉市内で同芸術祭が開催した「かえっこバザール」にて持ち寄られたものだという