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名絵師のもとに名版元あり? 「蔦屋重三郎と版元列伝」(太田記念美術館)開幕レポート【2/5ページ】

蔦重がプロデュースした江戸の巨匠たち

 蔦屋重三郎といえば、喜多川歌麿や東洲斎写楽をプロデュースしたことでも知られる、吉原出身の版元だ。同館1階では、蔦重がプロデュースした代表作がおよそ年代順で紹介されており、一流絵師たちの作品を通じて、蔦重の手腕を垣間見ることができる。

 ここで紹介されているのは、色彩豊かな錦絵のほか、江戸文化を語るうえで外せない狂歌・黄表紙といった初期の版本だ。「スポンサーがついていたのではないか?」と思わせるほど豪華な仕上がりで、高い企画力を誇る蔦重ならではの仕事と言える。

展示風景より
展示風景より、勝川春章・北尾重政画『青楼美人合姿鏡』(安永5年、1776) 版元=山崎屋金兵衛、蔦屋重三郎
展示風景より、蔦唐丸(蔦屋重三郎)撰/唐衣橘洲序/北尾重政画『絵本吾妻抉』(天明5年、1785) 版元=蔦屋重三郎

 また、大河ドラマでは蔦重役を俳優の横浜流星が演じているわけだが、言うなれば彼は初代蔦重ということになる。じつは「蔦屋重三郎」は5代目まで続いており、明治初期まで版元として活動していた記録も残されている。同フロアでは、二代蔦屋重三郎、三代蔦屋重三郎といった後継の仕事も紹介されている。

展示風景より

編集部