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パープルームはなぜギャラリーをダイエー海老名店に出店するのか。梅津庸一に聞く【4/4ページ】

気になるこけら落としの展覧会は

 オープニング展示はまだタイトルが未定なものの(8月25日追記、タイトルは「表現者は街に潜伏している そして、ショッピングセンターは街そのものである」に決定)、これまでパープルームに関わってきたアーティストのほか、地域の作家、新規に紹介する作家などを合わせた40人規模、100点を超えるグループ展になる。本展のコンセプトについて、梅津は次のように述べる。

展示予定の中ザワヒデキの作品

 「ある意味ではオーソドックスな展覧会になると思います。食品や日用品といった、生活に必要な商材と同じ入口から作品を搬入し、展示する。訪れるお客さんも、生活のための商品を買うついでに作品を見たり、買ったりすることになる。重要なのはこうした生活のサイクルのなかにギャラリーを位置づけること。『部屋に飾りたい』『これはなんだろう?』といった、作品に対する素朴な感想に寄り添えるものを提案したいと思っています」。

オープン準備中のパープルームの内観 撮影=編集部

 今後は展覧会を3週間程度、展示替え期間を挟みながらフレキシブルに回していく予定。すべてをキュレーション展に仕立てるのは難しいので、「常設展」や「プレ展示」などパープルームなりの簡潔な企画も展開するという。なお、かつてのパープルームギャラリーと同様に、出展作家からは出品料や売上のマージンなどは取らず、基本的には梅津と安藤の作品の売上でテナント代をまかないながら運営していく方針だ。

オープン準備中のパープルームの内観 撮影=編集部

 人口が増加し、購買力のある子育て世代や学生も多く集まる海老名。この街のショッピングセンターにギャラリーがあることの意味を、実践を通して問おうとするパープルーム。8月25日のオープンが、現在のアートを取り巻く状況にどのような効果をもたらすのか、注目が集まる。