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「色寂 irosabi」(銀座和光・アーツアンドカルチャー)開幕レポート。日常の移ろいを表現する工芸の魅力に触れる【4/4ページ】

 福村龍太は日月窯の二代目として作陶の道を歩む作家。作為による銀彩と、自然に起こる炭化を組み合わせることに美を見出す福村は、人工的な銀とやわらかな炭化による独特のコントラストが目を引く器をつくり出す。

展示風景より、福村龍太《炭化銀彩片口》《銀彩面取りぐい呑》と《炭化銀彩花入(大)》

 Ryan Schnirelはカリフォルニア州・メンドシーノを拠点に、自ら山に入り土を彫り粘土を成形して焼成する作家だ。自然の循環を重視し、場所のエネルギーを落とし込んだ陶作品を制作。

展示風景より、Ryan Schnirel《Untitled》

 木の楽しさや森の可能性を伝えるブランド「SOMA」の代表としても活動する、木工作家・デザイナーの川合優。500〜1000年以上にわたり、山崩れや火山の噴火などで地中に埋もれていた木「神代」を用いて、座ることができる「木ころ」を制作。地中でゆっくりと変色してきた神代が、空気に触れることで変化した独特の灰色が魅力的だ。

展示風景より、川合優《木ころ》

 さらに会場では、染司よしおか六代目の染織家・吉岡更紗による、草木染の生命力溢れる布が作品に彩りを与えている。ぜひ、会場で各作品の質感を体感して、工芸の新たな魅力に触れてもらいたい。

展示風景より、吉岡更紗による布

編集部