草間彌生「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)開幕レポート【2/3ページ】

 展示室のメインピースとなるのが、没入型のインスタレーション《無限の鏡の間 一 ファルスの原野(またはフロアーショー)》(1965/2013)だ。草間は1965年、ニューヨークのリチャード・カステラーニで本作を発表。いまなお続く「無限の鏡の間」シリーズの原点となった。鏡張りの壁面に囲まれた本作は、内部に水玉を施したファルスが無限に広がり、覗き込む鑑賞者は作品に溶け込んでいく。

エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景より、草間彌生《無限の鏡の間― ファルスの原野(またはフロアーショー)》(1965/2013) Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

 ペインティングは、1964年から2023年までの作品が並ぶ。なかでも注目したいのは、草間がニューヨークで「ハプニング」と称されるパフォーマンスを発表する直前の作品《無題(足)》(1964)だ。画面の中に繰り返し描かれているのは、抽象的なモチーフではなく足。当時、人体に強い関心を寄せていた草間。同作からはパフォーマンスとの呼応、現在も続くモチーフの「増殖」とのつながりが見出せる。

エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景。左から《無題(足)》(1964)、《ドッツ》(1990)、《無限の網(DHPP)》(2010)
Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris
Photo by Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
草間彌生 無題(足) 1964
紙にインク、グラファイト
© YAYOI KUSAMA
Photo by Louis Vuitton Malletier – Stéphane Muratet –
Louis Vuitton Collection 2008

編集部

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