紙
中国最古の紙は、前漢初期(紀元前2世紀ごろ)の墓から出土し、原料は麻だったという。後漢中期(1世紀)に、宦官・蔡倫(さいりん)が製紙法を改良し、楮(こうぞ)なども使用されるようになったようだ。晋時代(265~420)には竹や木に代わり、紙が公文書に採用される。その後はさまざまな素材が用いられ、加工技術も向上して、装飾をほどこした高級紙も生み出されていく。日本では、こうした唐紙に加えて雁皮(がんぴ)や三椏(みつまた)でもつくられ、独自の料紙文化が花開く。


ここでは清時代に宮廷向けに作られた美しい紙とともに、そこに捺す「印」の造作にも注目する。“はんこ”と言うのもはばかられるほどの超絶技巧は、趣味を超えた芸術品だ。





















