グラフィックデザイン会社としてスタートしたCEMENT PRODUCE DESIGNがプロデュースする会場もある。現在は中小企業と協業し、様々なブランドづくりを行っている同社。長野県塩尻にあるエレキギターの塗装を手がける「三泰」とは、木目を美しく引き出す専門的な塗装技術をアクセサリーや贈答品に活用し、技術を新たなプロダクトに活かしている。

そして、2021年に日本初上陸した、アメリカのマリオット・インターナショナル系列のラグジュアリー・ライフスタイルホテル「W大阪」。ここも昨年同様、今回の展示会場のひとつとなっている。安藤忠雄が監修を務め、日本で唯一の”Wブランド”ホテルであるこの場所では2名の作家の作品を楽しむことができる。
W階 LIVING ROOMでは熊⾕卓哉「Play Sculpture(ガチャガチャマシン:Type-Atlas)」が展示されている。熊谷は、万博効果も相まって外国人宿泊者が多いこのホテルで、日本独自の文化であるカプセルトイに着想を得た作品を展開することを決めた。照明と円形の台座のみだった空間に、現在大阪・関西万博のイタリア館に展示されている「ファルネーゼのアトラス」がモデルとなった作品がたたずむ。3Dプリンターで制作をしており、作品の一部を回すとガチャガチャが出てくる遊び心も詰まった作品だ。

1階 Arrival Hallでは松井照太の「“relite”(rewrite/relight)」が展開。人工的でラグジュアリーな空間の中に自然な石があるギャップによって、石の魅力が一層引き立つと松井はいう。またあえて石を浮かせて、通常当たるはずのない下からのライティングに挑戦し、石そのものの見え方を変えている。
















