WHAT MUSEUMの建築倉庫がリニューアルオープン。模型を通じて建築文化を体験できる施設へ【3/3ページ】

 新たに増設されたスペースでは、小学生から大人まで、幅広い世代が建築模型を通して、建築の構造や思想にふれることができる場所となっている。

建築倉庫の新スペース Photo by Katsuhiro Aoki

 桃山時代には存在したとされている、紙に平面・展開図・天井面・屋根を描いて切り抜き、床に接する部分を糊付けした「起こし絵図」。これを組み立てる「起こし絵図を組み立てよう!」では、紙のパーツを組み合わせながら、藤村庸軒好みの澱看席の起し絵図を制作できる。

「起こし絵図を組み立てよう!」 起こし絵図複製協力=三井嶺建築設計事務所 撮影=編集部

 多面体の幾何学の面白さを体感する中高生向けワークショップ「多面体と構造」では、からだを動かしながら木材と金物を使って大きな多面体を組み立てることができるもの。構造やものづくりの楽しさについて学べる。

「多面体と構造」 撮影=編集部

 さらに、5月から全4回で行われる「模型で考える土地から間取りまで」は、家づくりに必要な視点や知識を、模型を使いながら体得するワークショップだ。土地の長所を生かした住宅配置や、窓の開け方、日照の考えから、間取りから家具のレイアウトまで、実際に模型を動かしながら掘り下げる。

「模型で考える土地から間取りまで」 撮影=編集部

 今回のリニューアルにより、これらワークショップにおける実践と、倉庫に保管された建築模型とを行き来することで、建築家の思考や工夫をよりわかりやすく知ることができるようになった。近年、広く興味を集める建築を、より五感でとらえることができる施設になったといえるだろう。

編集部

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