大阪を拠点にする2003年生まれの若手アーティスト・松枝熙は、「超家」「路上藝術協会」、アートコレクティブ「BLLLE!」の活動などを通じて、社会や労働、民俗や路上などにおける私共性や無意職のつながりを表現している。出展作《みんなとてもあいまい》は、路上で個人が展開する園芸に着目したことが発想源となったインスタレーション/パフォーマンスだ。都市の雑草を人口の草に置き換えることで、都市の管理された景観と自然の乱雑さの境界をゆるがす。

サウンド・アーティストの丸山翔哉が手がけた《野生のオーケストラが聴こえる》は、ゲーム内でフィールドレコーディングを行い、多様な音響世界を探索することを通じて、プレイヤーとは異なる存在の聴取を体験する「多元的聴取」をテーマとする作品。会場では実際にプレイヤーによって採集されたサウンドを聴くことができる。

生物の機能や感覚を組み合わせて新たな感覚の創出を試みる、アーティストの滝戸ドリタ。《Efficiency of Mutualism, Energeia Cycle 分解と循環のエネルゲイア》は、微生物による燃料電池、光合成を利用する藻類電池、そして水の電気分解による燃料電池といった、複数の電池を組み合わせた作品だ。発電された電気は植物へと還流し、その微弱な電気刺激を介した植物の成長促進を試みており、さらに作品に取り付けられたハンドルを回し発電を促すことで、鑑賞者は植物の成長に関与することができる。




















