そもそもオプ・アートとは何か。オプ・アートとは「オプティカル(視覚的/光学的)・アート」の略称で、緻密に計算された形態や色彩によって、鑑賞者の視覚と直接的に交流し、点滅、振動、幻視などの錯視効果を引き起こす作品を指す。1965年、ニューヨーク近代美術館で開催されたサイツ企画の展覧会「レスポンシヴ・アイ(応答する眼)」において一躍脚光を浴びたジャンルだ。
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本展は道立近代美術館のコレクションを中心に構成されているが、近代美術やガラス工芸のコレクションを中心とする同館が、オプ・アートの潤沢なコレクションを所有するのはなぜなのか。それは1977年の開館以降、同館の前庭に設置されてきた伊藤隆道や新宮晋らによるキネティック・アートと関連づけられ、80年代後半より光や動きをともなった作品としてオプティカル・アートの収集が始まったことに由来するそうだ。