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特別展「魂を込めた 円空仏 —飛騨・千光寺を中心にして—」(三井記念美術館)開幕レポート【2/3ページ】

 円空の作品でもっとも特徴的であるのがその「削り痕」だ。円空は樹木に神仏が宿っているという考えのもと、その姿を彫刻として表した。平安時代から「仏をつくる」ことが仏教儀礼とされてきたなかで、その痕跡をあえて残しておく。円空はそこに仏教の本質があると考えていたのかもしれない。

展示風景より、手前から《金剛神立像》、《護法神立像》

 さらに、今回大きな見どころとしているのは、《両面宿儺坐像》(千光寺)の日本橋初展示だ。鬼神や賊、はたまた飛騨地方の英雄とも言い伝えられている両面宿儺。円空による荒々しい削りで表されたその像が、威厳ある佇まいで展示室に鎮座している。

展示風景より
展示風景より、《両面宿儺坐像》

 ほかにも、同展示室ではひとつの材からつくられた作例として《不動明王立像及び矜羯羅童子立像・制咜迦童子立像》の3体や、観音信仰をもとにした《三十三観音立像》も並ぶ。

展示風景より、《不動明王立像及び矜羯羅童子立像・制咜迦童子立像》
展示風景より、《三十三観音立像》

編集部

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