地下1階では、「ドキュメントの定義」について問いかける作品やコレクション作品が構成されている。
例えば、コミュニケーションの関係性やそのズレに焦点を当てた斎藤英理の《Social Circles》。ソーシャルメディアの普及によって複雑化した対話やその距離感について考えさせられる作品だ。また、留守番電話から不在の人物を浮かび上がらせる《またね》も、「いったいこのスマートフォンの持ち主はどのような人物なのか?」と聞き入ってしまうおもしろさがある。
現代アーティストらによる新作や近作が並ぶいっぽうで、同館のコレクション作品もあわせてキュレーションされているのがこの映像祭の醍醐味とも言えるだろう。内覧会には、アニメーションの原理を追求した古川タクやメディアアーティストの藤幡正樹が参加し、制作当時のアニメーションやウェブの状況などについても語ってくれた。会期中の2月4日には藤幡によるスペシャルトークセッションも企画されているため、興味のある方はぜひ参加して見てほしい。