2024年6月、渋谷教育学園の敷地内に開館したUESHIMA MUSEUMが、早くも次の展開を見せた。渋谷区千駄ヶ谷に開館したのが、UESHIMA MUSEUM ANNEXだ(開館日:1月15日)。
同館が位置するのは、東京メトロ副都心線の北参道駅近く、明治通り沿いの好立地。オフィスビルの3階を丸ごと展示室に改修したスペースとなる。
エレベーターを降りてすぐのエントランスには、チームラボ、名和晃平、多田圭佑の作品が設置された。
細長いメインの展示室は、2フロア分のふけ抜けを持つ独特な空間。この空間のオープニングを飾るのは、東京オペラシティ アートギャラリーで初の大規模個展「今津景 タナ・アイル」も開催中の今津景の個展「UESHIMA MUSEUM ANNEX 今津景展」だ。
今津は山口県出身。現在はインドネシアのバンドン在住。インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像をコンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成し、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作している。
「UESHIMA MUSEUM ANNEX 今津景展」では、吹き抜けに今津作品のなかでも最大級のインスタレーションである《⽣き残る》(2019)が展示された。同作は「あいちトリエンナーレ2019」で映像などとあわせて発表された大作。インドネシアの野生生物や自然環境に対して人間が及ぼす様々な影響をモチーフにしたもので、本展でも圧倒的な存在感を放つ。
この作品を中心に、同館では、植島が所有する今津作品コレクション12点すべてを展示。比較的初期の2008年〜09年制作の作品も展示されており、オペラシティの個展とあわせて見ることで、今津に対する解像度がより上がるだろう。
なお、UESHIMA MUSEUMは4月以降、本館・ANNEXともに大幅な展示替えがなされる予定となっている。