「Space In-Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン」(大阪中之島美術館)開幕レポート【4/5ページ】

 1996年のヨゼフ・ミューラー=ブロックマン逝去後、大きな精神的ダメージを受けた吉川は、2人が過ごしたアトリエを離れて3年にわたりローマで滞在制作を行った。この時期の作品はこれまでと異なり、燃えたぎる太陽やゆらめく海を想起させるような具象的なものとなっている。

「第1章 Space In-Between:吉川静子」展示風景より、「7 ローマにて」

 ローマからスイスに戻ったあとは、シルクロードをテーマとしたシリーズを手がけるようになる。晩年には「宇宙の織りもの」シリーズで見られた十字のモチーフは消え、代わりに登場したドットで空間性や動きが表現されるようになっており、その作家性の極まりは目を見張るほどだ。

「第1章 Space In-Between:吉川静子」展示風景より、「8 マイ・シルクロード」
「第1章 Space In-Between:吉川静子」展示風景より、「9 晩年の作品:鼓動」
「第1章 Space In-Between:吉川静子」展示風景より、「10 グラフィックデザイン」

編集部

Exhibition Ranking