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「MOTコレクション」展(東京都現代美術館)開幕レポート。イケムラレイコやマーク・マンダースの作品が示す現代美術の深層

東京都現代美術館(MOT)の「MOT コレクション」展は、戦後美術を中心に、現代美術の多様な魅力を紹介する展覧会。今回は、1階と3階の展示で、女性作家や新たに収蔵されたイケムラレイコ、マーク・マンダースの特別展示が行われ、光と闇、時間というテーマを深く掘り下げた作品が並んでいる。

文=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より、左からマーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》《椅子の上の像》(いずれも2011-15)

 戦後美術を中心に、近代から現代に至るまでの約5800点の作品を収蔵している東京都現代美術館(MOT)。この広範なコレクションをもとに、定期的に開催されている「MOTコレクション」展の最新版が始まった。会期は2025年3月30日まで。

 今回の「MOT コレクション 竹林之七妍/小さな光/開館30周年記念プレ企画 イケムラレイコ マーク・マンダース Rising Light/Frozen Moment」は、1階と3階の合計3つの展示室で構成されている。

 1階では「竹林之七妍」というテーマで、7人の女性作家に焦点を当てた展示が前会期から引き続き行われている。このタイトルは、古代中国の7人の賢者が竹林に集まり清談を交わす様子を7人の女性に変えて描いた、同館所蔵の河野通勢の作品名に由来し、女性作家に焦点を当てた展示へと昇華されている。

「竹林之七妍」の展示風景より

 展示では、生誕100年を迎えた間所(芥川)紗織、高木敏子をはじめ、朝倉摂、福島秀子、そして新たに収蔵された漆原英子、小林ドンゲ、前本彰子の作品が展示。一部の作品は前会期から展示替えしており、これらの作家たちが表現した、時代や文化を超えた視点は、現代美術における女性作家の重要な位置を再確認させてくれる。

「竹林之七妍」の展示風景より

 また1階では「小さな光」という小企画も開催。2020年に同館で個展を開催し、近年収蔵になったオラファー・エリアソンの作品を中心に展示されている。加えて、北代省三や、コレクション展では初めて展示される山本高之の映像作品も見ることができる。

「小さな光」の展示風景より、オラファー・エリアソン《人間を超えたレゾネーター》(2019)

編集部

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