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「MOTコレクション」展(東京都現代美術館)開幕レポート。イケムラレイコやマーク・マンダースの作品が示す現代美術の深層【2/3ページ】

 そして、3階では新たに収蔵されたイケムラレイコと、2021年の個展の際に来日が叶わなかったマーク・マンダースの特別展示を含む「開館 30 周年記念プレ企画 イケムラレイコ マーク・マンダース Rising Light / Frozen Moment」が行われている。

展示風景より、イケムラレイコの作品群

 イケムラレイコは、1970年代にヨーロッパに渡り、80年代から絵画、彫刻、ドローイング、写真、映像など、幅広いメディアを用いて作品を制作してきた。その作品は、光と闇、生命の生成と変化をテーマにしており、深い精神性を称える表現が特徴的だ。本展では、2022年に同館が収蔵した《Rising Light》《Out of Black》という絵画や、コロナ禍にスタジオで制作されたガラス彫刻などが展示されており、イケムラの作品に込められた深い精神性と社会への洞察を感じ取ることができる。

展示風景より、左からイケムラレイコ《Rising Light》(2022)、《Out of Black》(2020)
展示風景より、イケムラレイコの作品群

 加えて、イケムラのスタジオから貸し出されたテラコッタの彫刻やドローイングも展示されており、戦後の日本の版画家である駒井哲郎や浜田知明の作品もあわせて紹介されている。これらの作品群を通じて、光と闇に対する各作家の異なるアプローチを楽しむことができる。

展示風景より、イケムラレイコのドローイング作品群
展示風景より、イケムラレイコの作品群

 イケムラレイコの展示を担当した水田有子は次のように述べている。「イケムラさんの作品は、社会や生命に対する深い洞察を表現しており、とくに現在の不安定な社会状況に対して、希望を生み出す作品が並んでいます。来年は当館の開館30周年を迎え、戦後80年という節目の年でもあるため、この展示は特別な意味を持っています」。

編集部

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