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「アレック・ソス 部屋についての部屋」展(東京都写真美術館)レポート。なぜ「部屋」なのか?【3/4ページ】

Room 3

 3番目の部屋に並ぶのは3つのシリーズ。「Dog Days, Bogota」は、ソスが養子縁組のためにコロンビアの首都ボゴタを訪れた際に撮影したもので、ソス個人の要素が強く出ている作品だ。

「Broken Manual」はアメリカ社会と距離を置き、人里離れた場所などで生活する人々を題材にした作品。しかし同シリーズには人の姿はあまり現れず、洞窟や廃屋など生活の痕跡が残る場所が強い存在感を放つ。対照的に、「Songbook」は全米各地のローカルなコミュニティにおける人々の交流を写したもので、モノクロながら人々の熱気が伝わるようだ。

Room 3の展示風景より、「Dog Days, Bogota」シリーズ
Room 3の展示風景より、「Broken Manual」シリーズ(左)と「Songbook」シリーズ(右)

Room 4

 4つ目の部屋は、パリとミネソタなどを舞台にしたファッション・フォト「Paris / Minnesota」から3点と、ソスがパーク ハイアット 東京に滞在した際に撮影されたセルフ・ポートレイトを含む5作品が展示。前者は雑誌のファッション特集のために撮影されたもので、ファッションの都・パリとソスの地元・ミネソタの撮影を同時進行的に行った。また後者は映画『ロスト・イン・トランスレーション』(2003、監督:ソフィア・コッポラ)に着想を得たもので、インターネットによって探した被写体たちを宿泊していた自室に招き、撮影したという。東京という街に出ていくのではなく、東京を自分の手元に手繰り寄せるという手法が興味深い。

Room 4の展示風景より
Room 4の展示風景より、《Park Hyatt Hotel, Tokyo》(2015)
Room 4の展示風景より、手前は《Sari, Tokyo》(2015)

編集部

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