マティスの油彩画、銀座で無料公開。ポーラ美術館の所蔵作品【3/3ページ】

 いっぽう、マティスが晩年取り組んだ切り紙絵の傑作と言われる『ジャズ』(全20図)にも注目だ。同作は、マティスの版画20点と手書きの文章が組み合わさったもの。もともと「サーカス」と名づけられていたこの作品。躍動感と緊張感に満ちた画面をじっくりと鑑賞してほしい。

展示風景より、アンリ・マティス『ジャズ』(1947発行)
展示風景より、アンリ・マティス『ジャズ』(1947発行)
展示風景より、アンリ・マティス『ジャズ』(1947発行)

 なお、会場中央には中世フランスの王侯詩人シャルル・ドルレアンの詩からマティスが詩篇を選び、手書きのテキストとイメージで構成した挿絵本『シャルル・ドルレアン詩集』も展示されている。

展示風景より。『シャルル・ドルレアン詩集』(1950刊行)

 各作品を間近で楽しめるように、コンパクトな構成となっている本展。それゆえに、大型展では難しい、1点1点とじっくり向き合う体験ができるだろう。

 なお、会期中には対話型鑑賞会(10月7日)、赤ちゃん鑑賞会(10月15日)、ギャラリートーク(10月13日)、切り紙のワークショップ(10月13日・14日)などの関連プログラムも用意されているので、興味のある方は同館公式サイトをチェックしてほしい。

編集部

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