南米で開かれたエキシビションをロンドンで
フォトグラファーズ・ギャラリーが位置しているのは、ロンドンの目抜き通りオックスフォード・ストリートから一筋小道に入った先だ。展示スペースに一歩足を踏み入れると、まだ目と耳に残っている街の残影と喧騒に負けないくらい強烈な、森山大道の写真が放つパワーがどっと押し寄せてくる。
キューレーションを手がけたのはブラジルのサンパウロに位置するモレイラ・サレス財団(IMS)のチアゴ・ノゲイラ。IMSはブラジルの歴史的なアーカイブ写真を多数保存しながら、現代の写真家の活動も後押しする文化財団だ。今回のエキシビションは森山大道写真財団の協力のもと、3年もの時間を費やして監修、昨年春にIMSで初公開された。その巡回展であり、フォトグラファーズ・ギャラリーのスペースに合わせて250枚以上に及ぶ作品は3つのフロアに分けて展示されている。