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パワフルでラディカル。写真と印刷物が織りなす森山大道のイギリス初の回顧展

ロンドンのフォトグラファーズ・ギャラリーで現在、森山大道の回顧展「Daidō Moriyama: A Ret-rospective」が開催されている。半世紀以上に渡る歴史を持つ写真専門の同ギャラリーで初めて、すべてのスペースをひとりの写真家の作品で埋め尽くす規模の大きさと、イギリスにおける初の森山のソロエキシビションとして話題を呼んでいる。会期は2024年2月11日まで。

文=坂本みゆき

展示風景より

南米で開かれたエキシビションをロンドンで

  フォトグラファーズ・ギャラリーが位置しているのは、ロンドンの目抜き通りオックスフォード・ストリートから一筋小道に入った先だ。展示スペースに一歩足を踏み入れると、まだ目と耳に残っている街の残影と喧騒に負けないくらい強烈な、森山大道の写真が放つパワーがどっと押し寄せてくる。

  キューレーションを手がけたのはブラジルのサンパウロに位置するモレイラ・サレス財団(IMS)のチアゴ・ノゲイラ。IMSはブラジルの歴史的なアーカイブ写真を多数保存しながら、現代の写真家の活動も後押しする文化財団だ。今回のエキシビションは森山大道写真財団の協力のもと、3年もの時間を費やして監修、昨年春にIMSで初公開された。その巡回展であり、フォトグラファーズ・ギャラリーのスペースに合わせて250枚以上に及ぶ作品は3つのフロアに分けて展示されている。 

展示風景より

フロアを移動しながら時代を追う

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