東京・渋谷のbiscuit galleryが、長野・軽井沢の複合施設「stil(シュテイル)」内に新たなスペース「biscuit gallery karuizawa」をオープン。こけら落としとして城蛍の個展「食卓にて孕む」がスタートした。会期は8月6日まで。
「biscuit gallery karuizawa」が入居する「still」は、家具販売や建築を行う株式会社halutaが運営。設計段階から北欧の断熱技術を取り入れ、冬は暖かく、夏は涼しい状態を保つという。「biscuit gallery karuizawa」は、この施設の2階にオープンした。
ギャラリーとしては異質の大型の窓が4つ並び、自然光がふんだんにギャラリーのなかに注ぐ。「still」の中古家具の販売空間とひとつなぎであるような空間は、リビングのような落ち着きが生まれている。
このスペースのオープニングを飾る城蛍は1996年愛知県生まれ。2019年より東京都内にて活動している。主な個展に、「淡く目映く」(Gallery Camellia、東京、2020)、「あじさいと沐浴」(MAKII MASARU FINE ARTS、東京、2020)、「海に食べられる」(MAKII MASARU FINE ARTS、東京、2021)、グループ展に、「絵画の河岸」(TRiCERA MUSEUM、東京、2020)、「シブヤスタイルvol.14」(西武渋谷、東京、2020)、「collectors' collective vol.3」(MEDEL GALLERY SHU、東京、2020)、「今年初めに見せたい絵」(Gallery TOWED、東京、2021)など。FACE展2020に入選している。
本展で城は、使い古された家具類を支持体とした。かつての持ち主の生活の記憶を内包した家具に、自身の作品を「寄生」させるという行為を企てたという。窓から注ぐ外光とともに、城の作品が展示空間に生活の香りを持ち込み、そこからイメージを立ち上がらせる。
今後、「biscuit gallery karuizawa」では8月に井上七海の個展、9月に新井碧・朝長弘人の二人展、10月にコレクション展を予定している。また、今秋にはアトリエ兼住居施設「Atelier BLÅ」が「still」の近隣にオープンする予定。アーティストが生活をしながら制作を行える提供支援も行い、2024年からは滞在中に制作された作品を展覧会として発表する取り組みも実施していく。