ドイツ出身の工業デザイン界の巨匠、ディーター・ラムス。そのラムズが1950~60年代に手がけた作品にフォーカスした展覧会が、伊勢丹新宿店本館2階のISETAN THE SPACEで開幕した。
ディーター・ラムスは1932年生まれ。43年から1957年にかけ、ヴィースバーデン製作技術学校で学んだ後、50年代からドイツの電気器具メーカー「ブラウン」のデザイナーとして活躍。61年から95年までデザイン部門のディレクターとして、数々の名作を世に送り出した。また59年からは、家具ブランド「ヴィツゥ」のデザイナーとしても活躍している。
70年代には、「革新的であること」「実用的であること」「美しいこと」など、「グッド・デザインに必要な10の原則」を定義したことでも知られるラムス。伊勢丹での展覧会「LESS BUT BETTER ディーター・ラムス:ブラウンとヴィツゥの世界」は、そんなラムスが唱えた「LESS BUT BETTER (より少なく、しかしより良く)」の世界観を伝えるものだ。
会場デザインは、1955年のデュッセルドルフ無線機見本市におけるブラウンのブースデザインをインスピレーション源としており、直前的でミニマルな構成となった。
そしてそこに並ぶのは、ラムスによる50~60年代のプロダクトの数々だ。この時期、ラムスは家具やオーディオ、ビジュアル機器、キッチン用品など多岐にわたる商品カテゴリーをデザインしていた。しかしそこにはラムスの美学が通底している。
本展では、ブラウンからはレシーバーやスピーカー、ポータブルレコードプレーヤー、オーディオシステムなどが展示。またヴィツゥからは、サイドボードやソファ、サイドテーブルが出品されている。
なお会場では、「ブラウン」と藤原ヒロシが手がける「フラグメント」がコラボレーションし制作した、クロックコレクションを限定販売。BraunxFragment コラボレーション・エディションは、ブラウンを代表する3つのクラシックなアナログ時計で構成されており、各モデルはブラックとグレーで展開。すべてオーダーメイドのBraunxFragmentパッケージとなる。