1959年、日本のデザインの発展と質的水準の向上を図る組織として、亀倉雄策、原弘、山城隆一、永井一正、梶祐輔らのクリエイターによって創設された株式会社日本デザインセンター。その60周年を記念した展覧会「VISUALIZE 60」が、同社東京本社13階にあるPOLYLOGUE(ポリローグ)にて開幕した。
グラフィック、サイン計画、展覧会のプロデュース、プロダクト、Web、映像など、多様な領域を横断してデザイン・クリエイション活動を展開する日本デザインセンター。本展は、「本質を見極め、可視化する」というVISUALIZEの視座から、デザイン、そして日本デザインセンターそのものをとらえ直す展覧会。
展覧会は前後期の2期に分かれており、それぞれ30プロジェクトを紹介。その内容は、VI、サイン計画、プロダクト、アプリ開発、展覧会の企画・プロデュースなど、多種多様だ。
前期の展示作品は、瀬戸内国際芸術祭やMUJI HOTEL、Osaka Metro、市原湖畔美術館、JAPAN HOUSE、LIXIL 公衆衛生陶器など。
丸い柱が連続する空間は、もともとある日本デザインセンターの円柱を拡張するかたちでデザイン。各展示の冒頭には、入口となる絵図「トビラ絵」を展示し、実物のプロダクトやサイン、編集した映像などを通して、様々な「VISUALIZE」を見ることができる。
原研哉は、「日本デザインセンターも発足当時から変わってきた。世の中も変化するなか、次の状況にどんな風に応えられるか考えなければならない」としながら、本展についてこう語る。
「根幹となる仕事というよりは、ロングテールの小さな芽としての仕事を紹介している。デザイナーは未来の可能性があるものに対して仕事しており、ここにはそんな仕事が並んでいる。一つひとつのデザインが、どのポイントで未来の可能性があるのかを見てもらいたい」。
「VISUALIZEは日本デザインセンターの意思表明だ」とも語る原。後期展示もあわせて、日本デザインセンターのこれまでとこれからに触れてみたい。