2017年、東京・新宿に開館した草間彌生美術館。ここで、5回目となる展覧会「集合の魂たち」が10月10日、スタートした。
本展では、草間彌生が1961年に制作を始めた「集積」「集合」と題した作品群を展観。幼少期に体験した幻覚や、性・機械文明における食に対する強迫観念を作品化したシリーズの展開を追う。
2階の展示室では、ステッカーなど日用品をコラージュした最初期の平面作品に加え、布に綿を詰めた突起物を家具や靴などの日用品に無数に貼り付けたソフト・スカルプチュアを展示。やむにやまれぬ衝動から生まれ自ら推進する、草間が「ドライヴィング・イメージ」と呼ぶものの源泉を見ることができる。
加えて、60年代に草間がクレス・オルデンバーグ、アンディ・ウォーホルなどポップ・アートの作家たちとともに参加した展覧会の風景やレビュー記事、スタジオ風景の写真で構成されるドキュメンテーションにも注目したい。
3階では、草間が2009年以降精力的に制作を続け、現時点で620点を超える最大の絵画シリーズ「わが永遠の魂」から16点に加え、最新作である彫刻2点も展示。草間が人生を賭して取り組み続ける反復とその集合の、現在地と言える作品群となっている。
また、1階のエントランスにはバルーンのインスタレーション《水玉強迫》(1999)が展示されているほか、前回に引き続き最新のインスタレーション作品《天国への梯子》(2019)や、屋上の《PUMPKIN》(2015)を鑑賞することができるため、こちらもあわせてチェックしてほしい。