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草間彌生美術館が開館1周年で「未来へのわが展望をみてほしい―植物とわたし」を開催。植物と自画像の関係性を問う

2017年10月1日に東京・新宿区に開館し、1周年を迎えた草間彌生美術館。その第3回となる展覧会「未来へのわが展望をみてほしい―植物とわたし」が10月4日より開催される。草間作品の代表的なモチーフである植物にフォーカスした本展。どのような作品が見られるのか、その様子をお届けする。

会場風景より「わが永遠の魂」シリーズ

 前衛芸術家・草間彌生の作品と関係資料の展示を通じて、草間芸術の普及振興を図るために2017年10月1日に開館した草間彌生美術館。東京の新たなアートスポットとして定着した同館が1周年を迎えた。

 そして、10月4日からは3回目となる展覧会「未来へのわが展望をみてほしい―植物とわたし」が開催される。

 草間彌生の生家は、種苗業を営む旧家だった。幼少期から植物に囲まれて育った草間にとって、植物は作品の重要なモチーフであり続けている。愛すべき対象であると同時に、幻覚による恐怖を与える存在でもある植物は、草間のアイデンティティを反映してきたひとつの鏡像だ。

草間彌生 無題(花のスケッチ) c.1945

 本展は、草間自身の鏡像ともいえる植物モチーフと、幼少期から現在に至るまで数多く制作を続ける自画像の関係性を問うもの。会場は1945年、草間が10代の頃に描いたスケッチ《無題(花のスケッチ)》から始まり、日本画の技法で描かれた初期の大作《残夢》、60年代のパフォーマンス作品映像《Self-Obliteration by Dots》、そして70年代のコラージュ作品《自画像》《花と自画像》、1999年のミラーを使ったレリーフ《シャングリラの鏡》へと続く。

草間彌生 残夢 1949

 もちろん、今回も最新の絵画群である「わが永遠の魂」は見ることができる。展示されているのは、《花園にうずもれた心》や《花園に立ちて》など、植物にまつわる作品。草間が植物的なメタモルフォーゼを繰り返しながら自己のオブセッションをいかに乗り越えてきたのかを見せている。

「わが永遠の魂」シリーズ。手前は小型のミラールーム作品の《去ってゆく冬》(2005)

 このほか、今回は一般来場者も写真撮影できる《黒い花》がエントランスに展示。草間作品に欠かせない要素である植物とあらためて向き合う機会となる。

美術館の1階に展示された《黒い花》(1986)

編集部

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