周囲との「認識のズレ」をテーマに、彫刻作品やインスタレーションを制作するサカイケイタの個展「Underline ー 生活の記号と関わる」が、渋谷ヒカリエの「8/ CUBE + COUR」で開催される。会期は12月22日~12月30日。
サカイケイタは1997年生まれ。2019年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業し、現在は武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コースに在籍中。おもな展覧会に「ゲシュタルト建設」(2018、武蔵野美術大学、東京)、「Rulebook Exhibition」(2019、D-LAND LOUNGE、東京)「NEW MAKER」(2019、ギャラリーLE DECO、東京)、「へーはーほー展」(2019、武蔵野美術大学、東京)などがある。
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サカイは自身の持つディスレクシア(読み書きの困難)による特異な視点を制作の出発点としており、作品を通して知覚とコミュニケーションにおける新たな視点を探っている。
「Underlineー生活の記号と関わる」という展覧会名は、サカイが生活をするなかで出会う様々な「認識のズレ」を「Underline=強調」して取り上げることに由来する。とくに本展では、街中に存在するサインをモチーフにした大型インスタレーション《LINE 02》をはじめ、反復や繰り返しのパターンに焦点を当てた彫刻作品群を発表。誰しもが日常の中で無意識に行なっている「見る」という行為について、疑問を投げかける。
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サカイは本展に際して次のようにコメントしている。「日常生活の中で起こる認知のズレ(エラー)によって『見る』世界が変化した時、私たちには何が『見えている』と言えるのでしょうか。『見る』ことをニュートラルな状態で考えてみると、形と意味との関係性に偏りがあることに気づかされます。私たちが見ている世界は本来、曖昧なものかもしれません。そしてその曖昧さは、生活で関わるものの存在をことばによらない世界へ導いてくれるように思います。見ること(ものを知ること)の楽しさはそういった出会いの場から始まるように私は考えます」。
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また、関連イベントとして、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の伊藤亜紗と、アーティストの鈴木康広をゲストに迎えて、「遊び」と「見る行為」にまつわる話を軸に、知覚や認知について行ったトークを12月25日より配信予定。詳細はウェブサイトから確認してほしい。
なお、この展覧会はサカイが受賞した「CAF賞2019最優秀賞」の副賞として行われる。CAF賞は、学生を対象に若手アーティスト育成を目的として2014 年より毎年実施しているアートアワードで、最優秀賞受賞者には賞金100万円のほか、副賞として個展開催の機会を提供している。
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