2020年3月14日、さいたま市を舞台とする「さいたま国際芸術祭2020」が開幕する。この100日前を記念し、12月10日に旧大宮区役所エントランスで100日前イベントが行われた。
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「さいたま国際芸術祭2020」は、2016年に行われた「さいたまトリエンナーレ」を前身とするもので、ディレクターは映画監督・遠山昇司が務める。
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芸術祭のテーマは「花」。篠田太郎や碓井ゆい、平川恒太、ミヤケマイ、新津保建秀、須田悦弘、高木正勝、梅田哲也、快快(FAIFAI)、上野雄次、DamaDamTalといったアーティストのほか、日本フィルハーモニー交響楽団やNHK「おやすみ日本 眠いいね!」などが参加し、旧大宮区役所(メインサイト)、旧大宮図書館(アネックスサイト)、まちなか(スプラッシュサイト)で作品やパフォーマンスが展開される。
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100日前イベントでは、この参加作家のなかから高木正勝、平川恒太、上野雄次、DamaDamTal、快快(FAIFAI)が登場。
フィールドワークをもとにしたサウンドインスタレーションを発表予定の高木は、遠山とのトークショーで、自身が体感している「音」にまつわるエピソードを話しながら、「音でできることはちっちゃいことだけで、種役なのかもしれない。花がテーマだから、花を咲かせられたらいい」と、芸術祭における自身の立ち位置についても触れた。
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また、「カタストロフと美術のちから展」(森美術館、2018-19)で注目を集めた、さいたま市在住のアーティスト・平川恒太は、キュレーターの大高健志(MOTION GALLERY代表・POPcorn共同代表)と対談。「花というテーマは幅広いとらえかたができる」としながら、作品の構想については次のように話す。「僕は山登りが好きで、山登りに霧で真っ白になる現象(ホワイトアウト)がある。今回は『花』から気象にまでテーマを広げ、日常的に見えているものがいきなり見えなくなったりするような、気象現象のようなものを絵画だけではなくインスタレーションとして展開できたら」。
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「花」という極めて普遍的なテーマだからこそ、それぞれのアーティストの個性が問われる今回のさいたま国際芸術祭2020。3月の開幕がいまから待ち遠しい。
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