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2019.12.11

さいたま国際芸術祭2020、全作家が発表。高木正勝、須田悦弘、最果タヒらが参加

2016年の「さいたまトリエンナーレ2016」を前身とした「さいたま国際芸術祭2020」が、2020年3月14日 より行われる。これを前に、全参加作家のラインナップが発表された。

 

記者会見に登壇した遠山昇司(下段中央)と参加作家ら
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 2016年、芹沢高志のディレクションで行われた「さいたまトリエンナーレ2016」を前身とする芸術祭「さいたま国際芸術祭2020」が、20年3月14日よりさいたま市内各所で行われる。この開催100日前である12月10日に、全参加作家のラインナップが発表された。

 映画監督・遠山昇司がディレクターを務める今回のテーマは「花」。遠山はこのテーマについて、「花は重層的な意味を持つ。芸術祭を通して想像力の花を咲かせていこうという意味もある」と話す。

 プロジェクトは、大きく分けて旧大宮区役所(メインサイト)、旧大宮図書館(アネックスサイト)、そしてまちなか(スプラッシュサイト)で展開される。

旧大宮区役所

 メインサイトでは、篠田太郎、碓井ゆい、平川恒太、ミヤケマイ、新津保建秀、須田悦弘、高木正勝、梅田哲也といったアーティストのほか、日本フィルハーモニー交響楽団やNHK「おやすみ日本 眠いいね!」など、通常の芸術祭ではあまり見かけないラインナップも特徴的だ。

 「記憶の継承」をテーマに活動する平川は、区役所として機能していた時代の記憶が残る備品を素材に、立体作品を制作、展示。木彫で繊細な植物を生み出す須田は、建物の隙間など複数箇所に木彫の花を展示し、空間を変容させるという。

 また高木は、フィールドワークをもとにしたサウンドインスタレーションを発表。鑑賞者がピアノが弾くことができる状況も創出する。造園を学んだ経験を持つ篠田は、旧大宮区役所1階をそのまま活用した大規模なインスタレーションを発表予定。会期中変化し続ける作品を見せる。

篠田太郎 枯山水 2015 サイトスペシフィックインスタレーション(シャルジャビエンナーレ) Courtesy of Sharjah Art Foundation

 またアネックスサイトでは、灰原千晶、カニエ・ナハ、マーク・テらのほか、先行プロジェクト「さいたまスタディーズⅡ」や公募キュレーターによるプログラムを展開。スプラッシュサイトでは快快(ファイファイ)、長島確、最果タヒらが参加するほか、浦和駅周辺で約250組の作家が参加する「美術と街巡り事業」を2期に分けて行う。 

 さいたまトリエンナーレ2016では36万人が来場しており、今回も30万人以上の来場者数を目指すという。