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「アートフェア東京20」(東京国際フォーラム)開幕レポート。市場調整のなかで探る新たなフェア・ギャラリー戦略【3/3ページ】

不透明な世界情勢と市場心理

 初日の会場を見渡すと、全体として熱狂的な売れ行きというよりは、慎重な空気が漂っている印象を受けた。

 その背景には、昨年から続く不安定な国際情勢も影響しているとみられる。例えば、トランプ政権による各国への追加関税をめぐる貿易摩擦や、昨年11月以降に見られた日本と中国の外交関係の緊張(ギャラリー関係者によると、今年のフェア会場を訪れる中国人コレクターの姿も見えなくなったという)、さらに今年2月末に始まったアメリカ・イスラエルとイランの戦争による中東情勢の不安定化などが挙げられる。こうした地政学的リスクの高まりは、世界的な原油価格やインフレへの懸念とも相まって、グローバルなアートマーケットの心理にも影響を及ぼしていると言える。

会場風景より、TARO NASUのブース

 しかし北島は、現在の市場を次のように捉えている。「むしろ現在は、コレクターにとっては作品を比較的割安に購入できるタイミングとも言える。マーケットが過熱していた時期には購入できなかった作品や、そもそもオファーされなかった作品を入手する機会にもなっている」。

 市場の調整局面のなかで、コレクターの動きやギャラリーの展示方法、そしてフェア自体の戦略もまた、新たな段階へと移行しつつあるようだ。

編集部