「KOGEI Art Fair Kanazawa 2025」が開幕。高まる「工芸」への熱視線【2/3ページ】

 小山登美夫ギャラリー今年、岐阜県現代陶芸美術館で大規模個展を開催した伊藤慶二や、現在の日本のペインティングを語るうえで欠かせない工藤麻紀子の作品を紹介。とくに工藤が本フェアのために制作した、木のブロックに絵を描いた作品はペインティングとは異なり、手に取りやすい価格帯も非常に魅力的だ。

小山登美夫ギャラリーのブース
工藤麻紀子の作品は人気を博しそうだ

 金沢のガレリアポンテは、同じく金沢で活動する4名の女性作家を紹介。グラマラスなシェイプをもつ竹村友里、五月女晴佳の造形作品と、化粧をテーマにした沖田愛有美、蒼野甘夏の絵画がリンクする。

ガレリアポンテのブース

 若手作家を中心に紹介するatelier&gallery creava。ここでは様々な文化を取り込み、プリミティブな造形を紐作りの技法を用いて生み出す、やまわきてるりの作品が存在感を放つ。

左がやまわきてるりの作品群

 コンセプチュアル・アーティストを数多く取り扱うことで知られるTARO NASUは、ライアン・ガンダーや中井波花らの作品をメインに展開。代表の那須太郎はこのフェアに参加する意義について、「工芸とアートの境界にいる作家を紹介できる。アーティストと工芸作家とのコラボレーションを見せることができる場であり、作家もギャラリーも真剣に「遊べる」フェアとして楽しんでいる」と話す。

TARO NASUのブース。ベッドにはライアン・ガンダーの「旗」が広がる