石川県小松市に、町家を改築した分散型ホテル「Komado」が今年10月にオープンした。
古くから採石や鉄鉱などの産業が盛んに行われ、漆器や陶磁器などのものづくりの産地として、いまもなお知られている小松。そんな日常に工芸の美意識が根付くエリアでは、「町家」も長く暮らしを支えてきた日常の資源のひとつである。近年老朽化や後継者不足などによって町屋が失われつつある街の課題を背景に誕生したのが、町屋を改築した分散型ホテル「Komado」だ。

第一号店となる「Komako ベンガラ」は、小松市の中心部で町衆文化が今も息づく龍助町にある。3室の客室からは、町の息遣いや季節の移ろいを感じられる景色を堪能できるような工夫がなされている。


また客室や共用部には、地域に息づく生活工芸や、小松にゆかりある作家のアートが随所に設えられ、上出長右衛門窯の茶器や、最高品質の小松イ草で織られた小松畳のほか、小松出身のアーティスト・小雪によるアートワーク、鬼瓦職人・鬼笑が手がけたアートオブジェなど、この町に受け継がれた美意識と現代の技術が響き合う品々を身近に感じられる。


客室のほかにはカフェやショップも併設。蔵を活かしたカフェラウンジでは、370年続く長保屋茶舗の自家焙煎“棒入り茶”や、小松市民に愛されるコーヒー店・リセッタブルーによる「Komadoブレンド」を楽しむことができる。さらに、小松・九谷の生活工芸を購入できるショップや、キヅキブックスによる約100冊の選書を揃えたライブラリーも併設されている。






























