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印象派から現代アートまで130年以上の美術史を網羅。フィリップス香港で開催される2セールのハイライトをチェック

11月29日〜30日、フィリップスが北京のポリー・オークションとともに20世紀&コンテンポラリーアートのセールを開催。クロード・モネやオーギュスト・ロダン、ゲルハルト・リヒターなどの巨匠から現在オークション市場でもっとも注目されている若手アーティストの作品が一堂に出品される。

ゲルハルト・リヒター Kerzenschein(Candle‐light)

 11月30日、フィリップスが北京のポリー・オークションとともに20世紀&コンテンポラリーアートイブニングセールを香港で開催する。

 同セールでは、クロード・モネ、オーギュスト・ロダン、藤田嗣治、ゲルハルト・リヒター、ニコラス・パーティ、サルマン・トゥールなど、印象派や近代、現代の巨匠の作品から現在オークション市場でもっとも注目されているアーティストの作品が出品。合計予想落札価格は3億4760万〜5億2030万香港ドル(約51億3300万〜76億8300万円)。

 トップロットを飾るのはリヒターが1984年に制作した《Kerzenschein(Candle‐light)》。予想落札価格は5500万〜7500万香港ドル(約8億1200万〜11億800万円)。2本のキャンドルをモチーフにした同作では、抽象的な色面が炎と光の消え行く様子を表現している。

藤田嗣治 Reclining Nude

 藤田嗣治がその愛人のひとりであるマドレーヌをモデルに描いたヌード画《Reclining Nude》は1200万〜1800万香港ドル(約1億7700万〜2億6600万円)の予想落札価格で出品。アジアのオークションでは初出品となる、ロダンが不倫のために地獄の苦しみを味わうことを宣告された運命の恋人パオロとフランチェスカの物語を題材に制作した「接吻」の彫刻《Le Baiser, 1ère réduction dite aussi "réduction n°1"》と、モネがジヴェルニーの庭園付きの家で描いた静物画《Pavots dans un vase de Chine》は、それぞれ1000万〜1500万香港ドル(約1億4800万〜2億2200万円)、950万〜1500万香港ドル(約1億4000万〜2億2200万円)の予想落札価格がつけられている。

オーギュスト・ロダン Le Baiser, 1ère réduction dite aussi "réduction n°1"
クロード・モネ Pavots dans un vase de Chine

 日本人アーティストとしては、草間彌生の絵画《INFINITY-NETS(OPRT)》《Repetition》は1500万〜2500万香港ドル(約2億2200万〜3億6900万円)と1500万〜2000万香港ドル(約2億2200万〜2億9500万円)の予想落札価格で出品。そのほか、奈良美智、村上隆、加藤泉、五木田智央、Mr.、上條晋、タカノ綾の作品も同セールに出品される。

上條晋 Marching To The Sun

 イブニングセールに先立ち、29日には20世紀&コンテンポラリーアート&デザインデイセールが開催。ジョージ・コンドやアレクサンダー・カルダー、草間彌生などの著名アーティストからエワ・ジャスクウィッズ、クリス・ヒュン・シンカンなどの若手作家まで、200点近くの作品が一堂に紹介される。予想落札価格は8000香港ドルから680万香港ドルに及ぶ。

倉俣史朗 How High the Moon

 なお今回のイブニングセールとデイセールでは、「ULTRA/NEO」と題された特別セールも開催。上述の加藤泉、上條晋に加え、加賀温、松山智一、井田幸昌、ロッカクアヤコ、黃宇興(ホアン・ユーシン)など、1970年以降のインターネット時代に生まれた若い才能にスポットライトを当てる。

 フィリップス20世紀&コンテンポラリーアート部門長であるイサウール・ド・ヴィエル・カステルは声明文で、「近年、アジアではモダン・コンテンポラリーアートへの需要が高まっています。そのため、今年の11月に香港のイブニングセールおよびデイセールで、このような多様で力強く、生き生きとした作品をご紹介できることを大変嬉しく思います」とし、「印象派、モダン、コンテンポラリーの巨匠に加えて、アジアの流通市場に登場したばかりの素晴らしいアーティストたちが参加している今シーズンのセールは、130年以上の美術史を網羅しています」とコメントしている。

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