大英博物館がNFTの世界に参入。北斎作品のNFT200点以上を販売

大英博物館が、新たなブロックチェーンプラットフォーム「LaCollection」と提携し、葛飾北斎「神奈川沖波裏」「凱風快晴」などのデジタル画像を含む200点以上のNFTをオンラインで販売することがわかった。

LaCollectionのウェブサイトより

 大英博物館が、新たなブロックチェーンプラットフォーム「LaCollection」と提携し、葛飾北斎作品のデジタル画像のNFTを販売することがわかった。

 「ガーディアン」によると、今回の販売は9月30日より大英博物館で開催される「Hokusai, The Great Picture Book of Everything」展のオープニングに合わせたもの。「神奈川沖波裏」「凱風快晴」「駿州江尻」などの名作のデジタル画像を含む200点以上のNFTがオンラインで定価で販売されるほか、最近再発見された北斎の未発刊作品『万物絵本大全図』の挿絵の素描などもオークションで販売される。

 同館のライセンス・マネージャーであるクレイグ・ベンドルはガーディアンに対し、「LaCollection社と提携し、拡大するNFT市場に革新的な方法で参入できることを大変うれしく思う。博物館として、つねに新しい市場に適応し、従来のチャネルではリーチできない人々にリーチする新しい方法を見つけることは、非常に重要だ」としつつ、「NFTの世界は多くの人にとって新しいものであり、シンプルでわかりやすい方法で市場に参入できることは非常にエキサイティングだ」と述べている。

 9月30日にローンチするLaCollectionは、美術館や機関のコレクションに特化した新しいNFTプラットフォーム。主要な機関と共同でNFTを販売することで、次世代のアートコレクターや愛好家を刺激することを目的としている。

 同社の共同設立者兼CEOであるジャン=セバスチャン・ボーカンプは「大英博物館と提携できることを光栄に思う」とし、ガーディアンに次のようなコメントを寄せている。

 「LaCollectionは、アートとテクノロジーという2つの情熱から生まれた。私たちは、このプラットフォームが、大英博物館を訪れたことのない人や、その膨大なコレクションに関わったことのない人など、新しいオーディエンスを惹きつけ、新しく刺激的な方法でコレクションを発見する機会を提供することを期待している」。

 またThe Art Newspaperによると、これらのNFT作品は「ユニーク」(一点物)から、「ウルトラレア」(2エディション)、「スーパーレア」(10エディション)、「レア」(100エディション)、「リミテッド」(1000エディション)、「コモン」(1万エディション)と、様々なカテゴリーに分かれており、「コモン」の販売価格は約500ドルからスタートするという。

 販売益の割当率は明らかにされていないが、博物館は「大きく報われている」とされる。また、NFT作品が二次市場で転売された場合、収益の10パーセントが博物館に、3パーセントがLaCollectionに還元されるという。

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