加熱する上海のアートシーンでは欠かせない「アート021 上海コンテンポラリー・アートフェア」が、11月7日〜10日に上海エキシビジョン・センターで開催される。今年第7回となるフェアには、18ヶ国57都市から111のギャラリーが集結。ハウザー&ワース、ガゴシアン、ペロタンなどのメガギャラリーがふたたび参加するいっぽう、30以上のギャラリーが初出展となる。
メインセクションでは、81のギャラリーが21世紀を中心とした現代美術の作品を紹介。そのうち、ホワイト・キューブやサイモン・リー・ギャラリー、ガレリア・コンティニュアなどはアーティストの個展を開催。ガレリア・コンティニュアは、先週北京の紫禁城で初の西洋アーティストとしての個展を開幕したアニッシュ・カプーアによる展示を行う。
また同セクションには、今年上海に新しいスペースをオープンしたアルミネ・レッシュ・ギャラリーをはじめ、22のギャラリーが初出展。なかでも、ニューヨークのフリードマン・ベンダは、KAWSがブラジルのデザインユニット・カンパーニャ兄弟とコラボレーションした家具を発表。ロンドンのカーペンターズ・ワークショップ・ギャラリーは、ウェンデル・キャッスルやジョブ・スメーツ、ヴィンセント・デュブールなどのアーティストやデザイナーの作品を紹介する。
昨年設立した「デツアー」セクションは、アートや社会、経済、政治が世界中の発展を異なる視点で考察するもの。今年は、「シルクロード」をテーマに、中国、韓国、イラン、アラブ首長国連邦、ルーマニア、インドネシア、タイ、イギリスから12のギャラリーによる作品を紹介。歴史的な交易路であるシルクロードに焦点を当て、ユーラシア大陸における紛争、妥協、相互作用を見直す。
中小ギャラリーを発掘してサポートする「アプローチ」セクションでは、東京のTHE CLUBやMAHO KUBOTA GALLERYなど18のギャラリーが、所属アーティストの個展もしくは3人以内のグループ展を行う。
フェア会場で大規模な絵画や彫刻、インスタレーションを展示する「ビヨンド」と、上海市内にパブリック・アートを設置する「ビヨンド・エクステンド」にも注目してほしい。これらのセクションでは、スン・テウや鄭国谷、アンソニー・ジェームズの作品が、ギャラリー・ヴァカンシー、タン・コンテンポラリー・アート、オペラ・ギャラリーによって紹介される予定だ。