ベルリンの劇場フォルクスビューネ・アム・ローザ=ルクセンブルク=プラッツ(以下、フォルクスビューネ)が、劇場前の公共空間を期間限定の全長25メートルの屋外プールへと変えるプロジェクト「VOLKSBAD am Rosa-Luxemburg-Platz」を実施する。会期は8月7日〜10月1日。
社会主義古典主義の建築としても知られるフォルクスビューネは、1890年、「すべての人に芸術を」を理念に掲げ、労働者階級にも演劇を開くことを目的として設立された劇場。今回のプロジェクトでは、その正面に設けられる公共プールに加えて軽食を提供するスタンドなども設置される。利用は無料で、身分証明書も必要としない。暑さをしのぐために泳ぐ人はもちろん、近隣住民との交流や休息の場として、誰もが立ち寄ることのできる開かれた空間を目指すという。
ベルリンでは近年、公共インフラの縮小や都市空間の商業化が進んでいる。そうした状況に対し、本プロジェクトは劇場の内外を隔てる境界を解きほぐし、文化施設を市民の日常へと開く試みとして位置づけられている。
プールの設置終了後、10月10日と11日には、振付家・パフォーマンスアーティストのフロレンティーナ・ホルツィンガーによる《A Year without Summer》が上演される予定だ。ホルツィンガーは今年のヴェネチア・ビエンナーレでオーストリア館を手がけたアーティストでもある。同館は「SEAWORLD VENICE」をテーマに、会場を聖堂や海底テーマパーク、下水処理施設が混在する空間として再構成している。
今回の上演は、1816年の火山噴火によって引き起こされた「夏のない年」と、メアリー・シェリーによる『フランケンシュタイン』の誕生を出発点に、身体や健康、老化、アイデンティティ、テクノロジーと環境をめぐる物語を展開する作品だという。





















