戦後ドイツの現代美術を代表するアーティストのひとり、ゲオルク・バゼリッツが4月30日、逝去した。88歳だった。
バゼリッツは1938年、旧東ドイツのドイチュバゼリッツにハンス=ゲオルク・ケルンとして生まれた。後に故郷の名にちなんで「バゼリッツ」と名乗るようになる。ナチス政権下で幼少期を過ごし、戦後は東ドイツで美術を学んだが「社会政治的な未熟さ」を理由に退学処分を受け、1957年に西ベルリンへ移住した。
バゼリッツの名を世界に知らしめたのは、1969年以降に本格化した、モチーフを上下逆さまに描く独自のスタイルだ。描かれたモチーフから鑑賞者を解放し、色やかたち、筆致といった「絵画の本質」に純粋に向き合わせるための試みだった。1980年のヴェネチア・ビエンナーレではドイツ代表を務めるなど、戦後ヨーロッパの美術を象徴する存在だった。





















