敷地面積は約5万9000平米、延床面積は8000平米程度。今後40年にわたり安全かつ安定した状態で作品を保存・継承するために必要な収蔵面積を確保する。また共同収蔵庫の一部に民間事業者等が利用できる機能を付与。美術館リソースをシェアし、県立美術館の収蔵環境を活用した収益事業等を実施することも想定されている。
共同収蔵庫が掲げるコンセプトは、「美術館や県民の財産を『まもる』」「地域や住民に『ひらく』」「各本館や周辺施設と『つながる』」の3つ。スケールメリットを生かしつつ、通常はバックヤードに置かれ、一般来館者が目にする機会の少ない「保存」そのものを、作品に影響を与えない範囲で一部公開し、教育普及につなげる構想が核にある。
管理運営面では、作品保存は引き続き各施設の学芸員が担う。なお、愛知県美術館と愛知県陶磁美術館の収蔵品については、26年4月に設立予定の地方独立行政法人「愛知県美術館機構」が所管し、愛知県立芸術大学の収蔵品は愛知県公立大学法人が所管する見込みだという。
収蔵スペース不足への対策は裏方のインフラ整備ともいえる。しかし本計画は、保存環境の確保と同時に、その営みを可視化し、地域の文化資源と接続することで「美術館のバックアップセンター」を名乗る点に踏み込んでいる。常滑という土地性、民間活力の導入、そして公開性を帯びた収蔵庫という設計思想が、愛知のコレクションを守るだけでなく、県民に開き、施設間・地域とつながる拠点へと結実するか。国内の多くの公立美術館で収蔵庫がひっ迫するなか、今回の試みは新たな時代の模範となりうる可能性を秘めている。
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