アーティゾン美術館、レイチェル・ホワイトリードの新たな屋外彫刻を公開【2/2ページ】

 作家は本作について、次のようなコメントを寄せている。「2つの建物の間の通り道は、常に建築物と彫刻との関係性に関心を寄せてきた私にとって、一度立ち止まり、誰かと話を交わす場所について思いを巡らせる機会となりました。静かな彫刻と人が活動する空間の交差するところ、つまり、ひとりきりになれる、もしくは親しい人と共にいることができる場所となることを想像しました」。

レイチェル・ホワイトリード Artizon Conversations 2025 大理石、インスタレーション © Rachel Whiteread

 レイチェル・ホワイトリードは1963年ロンドン生まれ。93年に女性として初めてターナー賞を受賞し、空間や記憶、痕跡といったテーマにアプローチする作品で知られる。ネガティブ・スペースを彫刻として可視化する独自の技法により、国際的な美術館で多数の個展を開催。近年はイタリア・ベルガモ近現代美術館での新作や、東京・銀座のジル サンダー店舗での恒久設置作品も話題を呼んだ。

レイチェル・ホワイトリード Artizon Conversations 2025 大理石、インスタレーション © Rachel Whiteread

 なお、本プロジェクトの第2弾として、2026年1月にはリンディ・リーによる新作彫刻の常設展示も予定されている。中国系オーストラリア人の背景を持つリーは、道教や禅への関心をもとに、自然や宇宙とのつながりをテーマにした制作を行っており、日本での恒久設置は今回が初となる。

 さらに、プロジェクトの締めくくりとして、2026年3月にはホワイトリードとリーの両作家を招いたトークイベントも予定されており、それぞれの作品の背景や都市空間との関係性について語られる予定だ。