現代美術家・李禹煥(リ・ウファン)によりフランス・プロヴァンス地方アルルに設立された展示スペース「Lee Ufan Arles」。設立1周年を迎える同スペースとフランスの香水・化粧品メーカー「ゲラン」が、今年6月に「Art & Environment Prize(アート&エンバイロメント プライズ)」を共同で立ち上げた。
同プライズは、芸術的創造と環境のあいだに生まれる、有意義で多面的なつながりを探求する国際的プロジェクトに贈られるというもの。李の作品制作と、ゲランの環境保護へのコミットメントを支える哲学に根ざしながら、アーティストに対話、創造、世界への開放に基づく内省の場を提供し、現代性と人間の関係についての新しいビジョンを提供するプロジェクトや、長い時間性を持つ、自然や環境、素材と結びついた作品を求めている。
第1回のプライズは、今年9月20日まで世界中のすべてのアーティストを対象に募集を行っている。ジャンル、年齢、国籍に関係なく、応募資格もない。10月中旬にはファイナリスト5名のプロフィール選考や面接セッションが行われ、10月19日〜22日の「Paris+ par Art Basel」の期間中に受賞者が発表される。
受賞者には、Lee Ufan Arlesでの6〜8週間にわたるアーティスト・イン・レジデンスの機会が授与。アルル中心部に特別な制作スペースを提供するほか、創作に加えてそのプロジェクトに必要なアーティスト、キュレーター、国内外の関係者とのコンタクトを促進し、受賞者のプロセスをサポートするという。
また、レジデンス期間終了後、受賞アーティストの作品はLee Ufan Arles内のEspace MAにて、2024年夏季の展覧会で披露。さらに、受賞者はゲランとのコラボレーションコレクションの創作も予定されている。
同賞の審査委員長は李禹煥が務め、審査委員は両団体のメンバー、そしてゲストとして招かれた人物や後援者で構成。ゲランからはガブリエル・サンジュニ・ロドリゲス(プレジデント、CEO)、アン=キャロライン・プラザン(アート・カルチャー・ヘリテージ ディレクター)、アリス・オードワン(サステナビリティ委員会メンバー)、Lee Ufan Arlesからはエスラ・チュ(バイスプレジデント)、ジュリエット・ヴィニョン(ジェネラルコーディネーター)、アルフレッド・パックマン(名誉ジェネラルヘリテージキュレーター・ポンピドゥー・センター国立近代美術館名誉館長)が含まれている。また、美術史家であり研究者であるフィリップ・ダジョンが後援を務めている。