「表現の不自由展」、相次ぎ開催難航。大阪展では府立施設の使用許可取り消し

今月25日からの開催を予定していた「表現の不自由展」東京展と、7月開催予定の大阪展が、相次いで開催困難な状況に陥っている。

「あいちトリエンナーレ2019」における「表現の不自由展・その後」より、キム・ソギョン、キム・ウンソン《平和の少女像》

 今月25日からの開催が予定されていた「表現の不自由展」の東京展、そして7月に開催予定だった「表現の不自由展かんさい」が、相次いで開催困難な状況となっている。

 「表現の不自由展」実行委員会が主催する東京展は当初、6月25日より東京・神楽坂のセッションハウス・ガーデンでの開催を予定していたものの、会場に対する街宣車などの抗議を受け、会場を変更。10日に内定し、18日には新たな会場(具体的な場所は非公開)が決定したことを発表していた。しかしながら、新会場の「近隣への迷惑がかかる」という理由により、貸し出し不可となったという。

 いっぽう有志が主催し、7月16日~18日に大阪府立労働センター(エル・おおさか)で開催予定だった「表現の不自由展かんさい」については、25日付けで同会場の指定管理者である共同事業体エルプロジェクト(代表者:一般財団法人大阪労働協会)が利用承認を取り消し。「表現の不自由展かんさい」によると、取り消しの理由としてエル・おおさかは街宣車による抗議活動や、それに付随する一般施設利用者、入居団体の職員、南館2階の保育所に通う幼児や保護者の安全を確保することが極めて困難なことなどを挙げているという。

 東京展は、今後別の会場選定を行う考えで、都内で「表現の不自由展」を開催する意志を示す。また大阪展は、予定通りの期日にエル・おおさかで不自由展を開催するために、法的措置も含めた必要な措置を講ずるとしている。

 なお不自由展の東京展をめぐっては、展覧会開催への意見の相違から実行委員のひとりが辞任している。

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