カテランの「バナナ」がグッゲンハイム美術館に収蔵。匿名コレクターによる寄贈

昨年12月のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチで物議を醸したマウリツィオ・カテランの作品《Comedian》が、匿名のコレクターによってグッゲンハイム美術館に寄贈された。

アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2019で展示されていたマウリツィオ・カテラン《Comedian》(2019) Courtesy Art Basel

 昨年12月のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(ABMB)でマウリツィオ・カテランが発表し、物議を醸した作品《Comedian》が、グッゲンハイム美術館によって収蔵されたことがわかった。

 1本のバナナを灰色のスコッチテープで壁に貼り付けた本作は、3つのエディションが12万ドル(約1300万円)〜15万ドル(約1600万円)の価格で売却。また、フェアの閉幕を目前に、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、デビッド・ダトゥナがそのバナナを壁から剥がし、ブース内で食べるという“事件”が発生し、大きな注目を集めた。

アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2019で展示されていたマウリツィオ・カテラン《Comedian》(2019) Courtesy Art Basel

 ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、匿名のコレクターが本作をグッゲンハイム美術館に寄贈。同館のリチャード・アームストロング館長は、「現代美術史とアーティストの巧みなつながりを示す《Comedian》の寄贈を受けたことに感謝している」とコメントしている。

 寄贈された作品にはバナナとテープが含まれていないが、作品の購入証明書や、バナナの取り付け方や飾り方を図付きで書いた取扱説明書が添付。この14ページにおよぶ説明書には、バナナの交換頻度(7〜10日)や設置場所(地上175センチ)などが詳しく記載されているという。

 同館の保存管理責任者であるレナ・ストリンガリは本作の保存について、「私が取り扱う作品のなかで、これはおそらくもっともシンプルなもののひとつだ。ダクトテープとバナナだけだから」と述べている。

アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2019で展示されていたマウリツィオ・カテラン《Comedian》(2019) Courtesy Art Basel

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